獣医学臨床シリーズ 2
犬・猫の下痢症

・光岡知足 監修
・B5判並製本、110頁/図版335点
・ISBN4-87362-601-3 C3061
・初版発行:1986年9月30日
・定価(本体6,000円+税)/送料310 円

 本書はイヌ・ネコの下痢症をいろいろな角度から総説し,一冊にまとめたものである。とくに下痢を考える上で,まず下痢発生のメカニズムを正しく理解しておくことが先決であることから「消化・吸収の生理・生化学」(久保周一郎)「消化管ホルモンと下痢症」(菅野富夫)を総説した。また下痢発生時には必ず腸内菌叢が異常となり,それがまた症状を悪化させることから「腸内菌叢と下痢」(光岡知足)の項を設けた。「細菌性下痢と消化管免疫」(波岡茂郎)では,細菌によって起こるイヌ・ネコの下痢だけでなく,とくに幼若動物の下痢と密接に関係する免疫の問題にも触れた。「ウイルス性下痢症」(高橋英司)では,犬パルボウイルス,犬コロナウイルス,犬・猫ロタウイルスなどによる下痢を中心に病因・診断・予防について総説した。さらにイヌ・ネコでは寄生虫性下痢も多いことから,とくに「寄生虫性疾患と下痢」(野田亮二)の章を設けた。おわりに2章では,「下痢の病態生理と基本治療法」(吐山豊秋)と「腸疾患の見方と診断法」(松本治康)の標題で,下痢の治療に際しての基本的な考えかたと,下痢症状から腸疾患を診断する方法を具体的に解説した。

主要目次
消化・吸収の生理・生化学/消化管ホルモンと下痢症/腸内菌叢と下痢/細菌性下痢と消化管免疫/ウイルス性下痢症/寄生虫性疾患と下痢/下痢の病態生理と基本治療法/腸疾患の見方と診断法

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