獣医学臨床シリーズ 10
臨床血液化学検査 3

・友田 勇(日本獣医畜産大学獣医畜産学部) 著
・B5判並製本、400頁/図表110点
・ISBN4-87362-604-8 C3061
・初版発行:1992年9月30日
・定価(本体14,000円+税)/送料380 円

 本書は次の4編から構成される。第1編の「血漿蛋白の概念」では,特に種類と性状および代謝の2章を設け,血漿蛋白分画の臨床的意義を把握するうえで最小限心要と思われる事項について,できるだけ平易な概説を試みた。また常時心要な検査あるいはよりよい病態の把握に必要となる検査について,手技ではなく得られた結果の見方,考え方という立場で説明した。
 近年の血漿蛋白研究の動向に配慮して,特に第2編として「血漿蛋白異常」を設け,各種動物に関する最近の知見を基に,それらの物理化学的または生物学的性状,測定法,臨床的意義について研究の現状を紹介,第3編の「血漿リポ蛋白異常」では,脂質の分類と測定法,検査材料の扱い方,リポ蛋白の分画法,分類,あるいは構造と機能など臨床応用に際して最小限度必要な基礎的,技術的事項について解説し,また血漿リポ蛋白の異常の章では現在のところ情報が乏しい憾みはあるが,主として犬での知見を中心に解説。最後の第4編は「免疫グロブリン異常」で,飽くまでも臨床的評価のための資料という枠内で解説した。
 血漿蛋白全般にわたる広範かつ最新の知識を背景に,病態把握のための基本的な検査を効率よく利用し,特にその臨床的意義の把握と適確な評価に役立つような実際的な内容となることを意図した。

主要目次
第1編 血漿蛋白の概念
 血漿蛋白の種類と性状/血漿蛋白の代謝/血漿蛋白の検査法/血漿蛋白の分画像の臨床的意義/尿蛋白と脳脊髄液蛋白
第2編 血漿蛋白異常
 アルブミン異常/急性期蛋白/α1-酸性糖蛋白異常/ハプトグロビン異常/トランスフェリン異常/α-フェトプロテイン
第3編 血漿リポ蛋白異常
 リポ蛋白の分画法/リポ蛋白の構造と機能/血漿リポ蛋白の異常
第4編 免疫グロブリン異常
 免疫グロブリン/免疫グロブリン異常症/免疫不全症候

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