牛の乳房炎
・O. W. Schalm 他 共 著 ・保坂安太郎 訳 ・B5判上製本、190頁/写真・図表261点 ・ISBN4-87362-032-5 C3061 ・初版発行:1973年9月20日 ・定価(本体8,500円+税)/送料450円
本書はアメリカのカリフォルニア大学獣医学部臨床病理学教室の教授である O. W. Schalm および E. J. Carroll, N. C. Jain の 3 氏による名著である。Schalm 氏は California Mastitis Test(CMC)の創始者の 1 人であるが,それに示される通り,乳房炎については世界的権威であって,本書もきわめて詳細かつ具体的に記載されている。 細菌学に関しては実に微に入り細にわたって乳房炎との関係が余すところなく詳述してあり,かつ同グループの永年にわたる実験的乳房炎の研究成果が,その裏付けとなって光彩を放っている点を見逃しえない。一方,機械搾乳と乳房炎の関係にも 1 章を設けて詳述し,これが乳房炎防除の重要因子であることを力説している。また,抗原と抗体との関係,ワクチンの利害損失に関しても,本書によってその全貌を把握することができる。 乳房炎防除,乳質改善が急務とされている現今,乳房炎の実態を検査するためのテクニックにおいて,あるいは研究の飛躍的な発展を期す上においても本書の示唆するところはきわめて大きく,臨床家にも研究者にも一読を勧めうる格好の良書である。
主要目次 第1章 乳房炎症候群-簡潔な要約 第2章 乳腺の起源,発育と退縮 第3章 牛の乳腺の肉眼的,顕微鏡的構造 第4章 搾乳の過程,機械搾乳と乳房炎 第5章 牛乳の生成と組成,乳房炎における変化 第6章 正常乳と乳房炎中の体細胞の数と型 第7章 乳房炎を検出するための理学的および化学的試験 第8章 乳汁中の病原菌の検出と同定 第9章 連鎖球菌 第10章 ブドウ球菌 第11章 発生がさほど多くない乳房炎の型 第12章 乳房炎における抗体とその役割 第13章 乳房炎に関するいろいろな実験
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