食肉衛生検査病理学カラーアトラス
・全国食肉衛生検査所協議会 編 ・今泉 清 編集委員長/野村靖夫・高橋令治 監修 ・A4変型判上製本、240頁/カラー写真784点 ・ISBN4-87362-012-0 C3061 ・初版発行:1985年2月15日 ・定価(本体17,000円+税)/送料450円
食肉を得るために処理される動物が,食用に適するかどうかの判断には,獣医学の知識が必要で,獣医師はここで,人間の健康に最も直接的に関与することになる。こうした日常の食肉衛生検査の過程で主体となっているのは,食肉衛生検査病理学と呼び得る広義の応用獣医病理学である。 従来,食肉衛生検査の技術は,先輩から後輩へと受け継がれ,発展させられて来たが,約10年前に有志によって始められた食肉衛生病理学研修会は,より科学的な食肉衛生検査を志向する人々の拠り所の1つとなり,技術啓発の場ともなった。ことに研修会での討論を通じて,マクロの検査の重要性およびマクロの観察眼が顕微鏡下のミクロの観察に支えられて向上することを,また複数の人々の間での討論が,判断の質的向上と標準化に大きく貢献することを実感し,実践者へと変えられた人々を数多く生み出して来た。このカラーアトラス作製は,このような盛り上がる熱意に支えられて実現したのであり,食肉衛生検査に携わる獣医師の自己変革への道を備えるものとなるであろう。 食肉衛生検査の実務は,多大の労苦を要するが,ただ一度しか見ることの出来ない自然例の病変を,多数観察することのできる数少ない場であり,そうした労苦の上に立つ貴重な経験が,カラー写真という媒体を通じて公表されることは,すでに活躍中の検査員である獣医師ばかりでなく,多分野に属する獣医師にも,またこれから獣医学を学ぶ学生諸君にも意義深いことであろう。その意味において本書の幅広い分野での活用を願うものである。
主要目次 第1章 外景および皮膚 第2章 眼 第3章 運動器系 第4章 循環器系 第5章 造血器・リンパ系 第6章 呼吸器系 第7章 消化器系 第8章 肝臓・膵臓 第9章 体腔 第10章 泌尿器系 第11章 生殖器系 第12章 乳房 第13章 内分泌系 第14章 神経系 第15章 奇形 第16章 参考資料 索引-模式図
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